前にも書きましたが、早川由起夫教授の汚染マップは衝撃的でした。
頂き物ですが、そのマップにゲレンデを被せたものです。
20110711-1


ただ、最近はこの図が一人歩きをしているように感じます。
早川教授は、ツイッターでこのようにおっしゃっています。

早川由紀夫
生体機能を維持するためにはどの部位を切断しなければならないかを判定するためのものだ、あの地図は。
HayakawaYukio

また、ちょっと掘り起こせませんでしたが、「この図は正確ではない」という主旨の発言もしていたと思います。

ここで、本当はIAEAのチェルノブイリレポートの図をお見せしたいところなんですが…。
どうも上手く落とせないので、直接見に行ってください。
そうすると、街の中の汚染図があるはずです。

現実の汚染は、家一軒一軒で濃度が異なるのです。
ですから、細かく測定をすると、風の入り方やそのときの濃度によって同じ町内でもかなり違う。

おそらく、早川教授もそのことを踏まえて、大雑把な等高線を引いているのだと確信しています。
しつこく書きますが、例えば0.5μSv以上のところであっても、測定してみると低いところもあるでしょうし、0.5μSv以下であっても高いところもあるということです。

家が密集しているところでもそのような現象が起こるのですから、谷や尾根を利用して作られているゲレンデは、その日その時に、どんな風が吹き、どんな天気だったかによって汚染状況は大きく変わってくることが想像できます。

上の汚染マップは、そういう意味でも目安として捉えて置いた方が良いでしょう。

さて、今年の冬にゲレンデに向かう場合、「内部被曝」「外部被曝」を分けて考えなければならないでしょう。

外部被曝というのは、言い換えれば空間線量です。
早川教授の汚染マップは目安になると思います。
しかも、雪が降ります。

単純には比較できませんが、先日、福島第一原子力発電所3号機に窒素を入れ始めましたが、その作業の前に空間線量が下がらないので床に鉄板を敷いたというニュースをやっていました。
おそらく、それで1/4の線量に下がるだろうという話です。

雪がどの程度遮蔽してくれるのかは今後の研究になるのでしょうが、雪によって地表から1m以上も離されることを考えても、かなり低くなることが期待できると思います。

チェルノブイリでさえ、3.9μSvで観光ツアーをやっているのです。
あくまで1日遊びに行くというレベルなら、汚染地のゲレンデの方が遙かに低いと言えるでしょう。(行って何かあっても責任は取れません)

ただし、一つ問題があります。
搬器の汚染です。
今年の冬もゲレンデを開く福島・宮城・栃木・群馬のゲレンデは、1日も早く搬器の除染を行って下さい。
放射能汚染された搬器に座れば、男は直撃!です。
お客に安全性をアピールするためにも、ホームページ・ブログ・ツイッター・フェイスブックなどを使って、除染完了をアピールするべきです。

グズグズしていると、放射線物質を取り除いても搬器が放射化するのではないかと思います。
放射線を長く浴びると、浴びたものからも放射線が出るようになるのです。
福島では、荷台から100μSvも放つ軽トラックが走っているそうです。

もう一つが、内部被曝です。
これから先の日本はセシウムとの戦いです。
今は牛だけの問題ですが、これから冬までのあいだにもっと問題が噴出してくるでしょう。
ゲレンデごとに考えもあるのでしょうが、復興支援という看板はもう下ろしましょうよ。

被曝の80%は外部被曝です。
口から入れた、水や食料によって被曝します。
怯えながらゲレ食は食べたくない!
一個人の考えではありますが、口には出さなくても、そのように思っている人も少なからず居るのではないでしょうか?

その点を踏まえて、素材の産地についての透明性をアピールすることも大切ではないでしょうか。


きつく、無責任な意見と思われると思います。

しかし、私は2011-12シーズンだけでなく、その後のシーズンもどこのゲレンデも欠けることなく続いて欲しいと思っています。
決して、この惨事を他人事のようには思っていないつもりです。

※追記
放射化については、人が死ぬほどの、しかも中性子線ではないとならないという説が有力のようです。
しかし、それ以外でも起こるという説もあるそうです。