大河ドラマ

平清盛 第3話「源平の御曹司」

今回は涙目祭りでしたね。
清盛も涙目、鳥羽院も涙目。
今回は清盛がケッチョンケッチョンに突き落とされるわけですが、近年の大河では無かっただけに安心しました。
見ているものが訳も分からないのに、「この子は凄い」「面白い」とか言ってアゲまくる脚本はウンザリ。
去年の「江」にいたっては、その凄さをいつ見せてくれるのかと思っているうちに終わってしまいましたからね。

まあ、追っかけていきましょう。

アバン。
わずかな時間なんだけど、あれなら要らないだろ。
3回目なのに、いまだに柱かって気分です。
視聴率が低迷しているそうなので「前回のおさらい」が必要なのかもしれませんが、それだったらちょっと前までやっていたような「時代解説」の方が馴染みの薄い時代だけに良いのではなかったでしょうか。
そろそろアバンの頼朝・政子は舞台を変えて欲しいところです。

まずは弟の平次の元服。
家盛と名を改め「兄上様にも見せたかった」ということから、風来坊となっている兄上登場。
毎度おなじみの暴れん坊場面です。

歴史的にもありえないドタバタエピが必要なのか?と思わせるところなのですが、必要でした。
これを入れることによって、今回のメインである清盛の挫折が描かれるわけです。
もう一つに、血の繋がっていない(ストーリー上)清盛を嫡子とすることに対する平家の家族内・郎党内の軋轢が描かれているわけです。
なかなか気がつきづらいと思いますが、反清盛である伊藤忠清が、清盛が海賊と間違えられて捕縛されたことを報告に来るところなどが憎いなぁと思います。
だって、郎党である伊藤忠清の家人が捕まえたのに検非違使に送られるわけが無いだろう。
平家内の微妙な空気を表しているのでしょう。

もう一つおもうのが、未熟な清盛が「民が民が」と連呼するところが、このあと無様に突き落とされる清盛とともに「民」を大義名分にキレイ事ばかり描いてきた近年の大河をもいっしょに突き落としたようで痛快でした。

国松、時松、蝉松の三人の命との引き換えに京都に戻ることにされ、ハンコーキの清盛はグレグレ。
ここで、ライバル登場。
元服した源義朝と出会うわけですが、このようなライバルが存在することも大河では久しぶりです。
玉木義朝は・・・これも今後に期待しましょう。

場面変わって朝廷。
これから保元の乱に突っ走るためにも、朝廷の空気を伝えるのは重要ですね。
噛ませ犬役の為義さんが、息子義朝の就職活動をするわけですが噛ませ犬なので相手にされません。
帰り掛けに忠盛父ちゃんとすれ違うところで嫌味一発。
「また寄進に来たのか?」

この大河では、平家の地位が上がっていることなどが分かりづらいのですが「正四位下」の位になっていることなどなども含めて、平家はそこそこ儲かっているのです。
歴史的に見ても清盛の出世は異様に早く、それが根拠に白河院のご落胤説があるわけですが、忠盛の財力というものも見落とすことはできないのです。
清盛の忠盛への反抗は、それだけ一気に財力を高める成り上がり者への反発とも捉えることができるのですが、この大河ではあまり描かれていませんね。

忠盛に対し、鳥羽院は忠義を疑う理由として清盛の存在をあげます。
そこに、烏帽子親である藤原家成が北面の武士への登用を願い出て、清盛の就職問題が勃発。
髪の毛を伸ばしてギターを弾いて世界平和を訴えるんだ~という清盛に対して、年齢という現実問題が迫ってくるわけです。

再び朝廷場面。
源平ものでは避けて通れない後の西行となる佐藤義清登場。
藤木直人さんですが、徳川慶喜の頃と比べると落ち着いた雰囲気ですね。

ここからが短いですが、今回の見所。
璋子が帝(崇徳天皇)への扱いに文句を言いにきます。
鳥羽院のヘタな言い訳に対して、金麦砲発射。
「愛しくないのですか」
「わが種ではないものを愛しく思えというのか!」
「上皇様もお爺さまの子ではありませんか?叔父様の子供ですから叔父子と思ったらいかがですか?」
金麦砲着弾!
近年まれに見る、朝廷のドロドロっぷりをサラッと言ってしまっています。
矢野君の涙目&血管浮きまくりと、合間に挿入される堀川局(りょう)が空気の緊迫感を増しています。
それでも金麦(璋子が辞書に無いから面倒)は空気が読めない。
そりゃ保元の乱もおこるわけだ。
見所かつ重要な場面でしたね。

怒り狂って御所を離れる鳥羽院は、噛ませ犬為朝との約束をすっぽかします。
義朝も堪えきれず、よせばいいのにライバル清盛はどうなったかと聞いてしまいます。
「採用は清盛。」
さすらにクールな玉木君も血管を浮き立たせてしまいます。

ここで場面一転。
飛ばしましたが、清盛はその直前に市で双六に勝ち、市の人たちになにやら持ちかけています。
ボロボロになっている門の全貌が出てきますが、やっと構造が分かりました。

その市の人たちが、検非違使たちを襲撃します。
あれは竜馬伝の寺田屋事件でも使われた「コーンスターチ弾」。(笑)
どさくさにまぎれて、おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松を救います。
作戦成功で意気揚々として、「おそ松君ファミリーを連れてまた民を救いに行ける。」「北面の武士なんかクソ食らえ」といい気になっているところで、就職を断られたライバル義朝君が食って掛かります。

まあ、北面の武士はエリートなんですけどね。
でも技量の落ちるSP?
SPとは違い、気に入られれば地位が上がって昇殿が叶ったりもするわけですが、どうなんでしょう。
清盛の言うとおりに「王家の犬」なわけですから。

それでも面白くない義朝君は、清盛と話してみて思想が甘々なことを悟ります。
「一人で生きている」と主張する清盛に対して、「アマちゃんの御曹司」と罵倒。
畳み込むように、可愛いおそ松ファミリーが検非違使たちに追い詰められ、通りがかった院の一行の佐藤義清に捕らえられてしまいます。
鱸丸に押さえられて救い出すことができませんでした。

場面変わって平家の館。
清盛との関わりの隠蔽を図ることから、おそ松君ファミリーはここで終了なのでしょう。
「オレが責めを負う」と主張する清盛に対して、「関わり合うな」と忠盛は言い放つ。
清盛弱っています。
「おそ松君ファミリーと民を救っていた」と主張する清盛に対し、「お前らが退治した海賊たちが徒党を組んで村を襲った」と言い放つ。
「お前は浅知恵だ」
「お前が村を襲わせた」
「お前は賊と同じだ」
「お前の知らないところで平家一門がお前を守っている」
と一気に畳み掛けます。
清盛玉砕。

それでも「一人だけ助かるわけには行かない」と主張するのに対して、反清盛の忠正は「縁を切れ」と迫るわけですが、「清盛は平家に必要だ」と忠盛は許さない。
それでも忠正は、「義姉の立場も考えろ」と食い下がります。
ここでも、乱れた血筋の暴露があるわけです。
しかし、宗子は自分の子供だといい、家盛は兄として父上に従って欲しいと願います。

乱れた血筋の暴露によって、乱への火種が撒かれる朝廷と、一族の結束への種が撒かれる平家。
良い対比だと思います。

グチャグチャになった気持ちを義朝にぶつけ、比べ馬で競争することにするのですが、ここでも清盛は負け。
一馬身、二馬身と離されて、最後は落馬でプライドはズタズタ。
しかし、ライバルは相手を救ったりもするわけですね。
「武士が王家を守ってやっている」と発想の転換を言い、清盛覚醒。
長い髪を切り、ギターを捨て、宮勤めをする覚悟をするわけです。


前回、まだキャラ立ちが弱い朝廷でしたが、璋子と鳥羽院は凄かったなぁ。
2回戦・3回戦と期待したいですが、没落してっちゃうんだよなぁ。
ここまできても正体不明なのが堀川局のりょう。
キャラをあえて立てないのに期待してしまう女優さんというのも珍しいですね。

もう一つキャラ立ちがはっきりしてきたのが、叔父に当たる忠正。
この人も基本的に噛ませ犬の役割になるので、保元の悲劇を盛り上げるためにも頑張ってほしいですね。

平清盛 第2回「無頼の高平太」

遅れまくりの感想の2回目です。

オープニングはまた頼朝とベラならぬ政子。
いや、ベラだって。
伝令の「草薙の剣が見つからない」というのに対して、鞭を振るうか変身して妖怪になってしまいそうな勢いです。(笑)
杏は「身体の軸」ができたような気がしますね。

えーと、この平清盛は平家滅亡までやるそうなんですけど、本編は平清盛の人生が描かれ、アバンは頼朝の回想が逆算されていくなんて感じだったらちょっとワクワクしてきそうです。
ただ、このパターンで50回やるのはちょっとキツい気がします。
どこかで変化球を入れてくるのでしょうが、義経の配役が発表されていないところを見ると、次か次くらいには変化するのでしょうか?(すでに放送済みですが私は知らん)

ただ、
「剣の行方がわからぬと聞いて、清盛だと思った。
今も平清盛がどこかで生きていて、剣を振り回しているのだと・・・」
というのは違和感がある。

源頼朝は、平治の乱ののちに清盛と対面し、本来死罪となるところを伊豆の蛭が小島に流されるわけです。
そのときの清盛はすでにいい年。
子供が、おっちゃんの若いときを想像するというのは無理があると思うんですよね。
それに、頼朝は異様に清盛に心酔していませんか?
無用なアゲはつまらないと思うんですよね。

さて本編。
市場で暴れる平太。
雰囲気は出ているけど、マツケンの剣の使い方はいま一つかな。
剣が「直刀」であるところも殺陣のしにくいところなのかもしれません。
清盛が「直刀」を使うのは、三種の神器である草薙の剣に繋げているのかもしれませんが、なんとなくベルセルクのガッツを思い出してしまいました。(服は白いけど)
殺陣よりも勢いを優先させたのでしょう。
しかし、後で出てくる舞いの場面も型よりも勢い。
1話の中で重ねるとクドいですね。

とりあえず「清盛はグレている」ということを伝えたいらしい。

賭博に使われているのは平安時代の双六。
今風に言えばバックギャモンです。
若い頃に2年くらいはまりましたねぇ。
「ゾロ目」が鍵を握る遊びで、ここ一番で出せる運の強さが重要でもあります。
こうしてみると、単純ではない伏線がいろいろと張られているようですね。

みどころは市場を逃げる場面。
高い位置から市場を見渡させるだけの面積のセットを作ったのは今後も使って欲しいです。
とくに、一瞬だけ映る山門の雰囲気が良かったですねぇ。

グレているけど元服はする。
1話で匂わせていた家族の軋轢が増していることを印象付ける場面です。
中井父ちゃんの忠盛と弟の忠正は、跡継ぎのことでもめている。
清盛(平太)は母の宗子の過去の発言を根にもっている。
父親の生き方にも不満を持っている。
弟は呑気。(笑)

「オレは父上のようにはならぬ!貴族にも!王家の犬にも!」

それにたいして、忠盛は父親らしく堂々と「好きにせよ!」と言い放ちます。
獅子は谷に自分の子供を落とすというヤツですね。

結局はグレているので、
自分の馬イクで走り出す~♪
と夜の京を疾走。
この頃の京は、日が落ちたら1人で走り回るなんて危険なんですけどね。
それに落馬は相当危ない。
骨折で武士生命が終了することもあるし、それこそ脳挫傷で生命が終了してしまいます。
そうじゃなくっても、夜盗に襲われてもおかしくない。

落馬して大騒ぎ。
「だれなんだオレはぁ~」
「オレは・・・オレは・・・だれなんだぁ~~~」

だれでもよーーーーーーーーーい!

受けた。
できれば白ブリーフ1枚で出てきて欲しかった。
阿部サダヲの登場によって話は一区切り。
白河上皇の「殺生禁断令」の話に移ります。
ここらへんは学校の日本史では教えない世界です。
まあテレビで触れるのも珍しいレベルです。

白河上皇に限らず、仏教を信仰する天皇はたびたび「殺生禁断」を命じています。
これは、仏教そのものが「殺生」を禁じているからですね。
生き物を殺すことは不殺生戒という大罪で、犯すと来世で苦しむことになると信じられていました。
農業も流通も発達していない時代ですし、獣や魚を獲ることは人間の本能でもあるわけで、民衆の貴重な食料でもあるわけで、仏教的思想が浸透していない民衆には迷惑千万な話なのです。
白河上皇の「殺生禁断令」は、徳川綱吉の「生類憐みの令」ほどではないにしても、やや厳しかったようです。
権力の座を登りつめた上皇の、それでも尽きぬ「妄執」を表現するのに、あえて踏み込んだ勇気に拍手を送りたいです!!!

場は一転して海の上。
成長した鱸丸は、一昨年の中岡慎太郎。
ステップファザー・ステップを見ていても思うのですが、ちょっと顔がお太りになりましたね。
そのため、ちょっと若い役が厳しくなっていないですか?
ここでは「殺生禁断令」の弊害を民衆の視点から描こうと踏み込んでいます。

ここら辺から細かな場面がちょっと駆け足ながら積み重ねられます。
祇園女御の諫言も聞かない白河上皇。
一応は息子に当たる平太を気にしている風です。
白河上皇に寝取られながらも璋子のところに通う鳥羽上皇。
1話で隠居させられたので上皇になっています。
鳥羽院と頼朝も読んでいますが、院になったからといって権力が握れるわけではないんです。
鳥羽上皇は、白河上皇にムラムラと憎しみを募らせています。

そんななかでの平太の元服。
佐藤二朗登場。
胡散臭さ爆発!
難癖をつける平太に対して、さらには藤本隆宏登場。
JINの西郷さんです。
ポンポンとキーマン登場で、無理矢理元服。
清盛と名も改められて大人になったので、自分の馬イクで走り出すわけにも行きません。

「殺生禁断令」の弊害により、兄貴分鱸丸の父である滝次が捕らえられ、それにより清盛は育ての父である忠盛と対決。
しかし、その中で忠盛は清盛の中に芽生えている「武士」としての自覚に喜びます。
次いで実の父である白河上皇とも対決。
ここで、母の死を知らされ、自分の生きる立場の儚さを知らされます。
同時に、白河上皇の弱さも知り、自分の弱さも知ることになります。
どこかで上皇の子供と甘えていた自分を知り、決別を覚悟しようとしたのでしょう。

ちょっと音楽がうるさい。
「遊びをせんとや・・・」を何回も何回も。

まあ、覚悟を決めた清盛は、父に舞いを教わることを願い出ます。
勉強不足でよく分からないのですが、祖父の正盛も岩清水で舞っているなどということから、そのような仕事を帯びた家であり、「舞を教わる=平家の子供になる」を意図しているのでしょう。
舞いもガッツ。
型よりも勢いを優先させたのでしょうが、ここはもう少し修行を重ねて欲しかったと思います。
去年の冒頭の江の「呪いの舞」もそうですが、古典芸能は役者のためにも、視聴者のためにも、後世のためにも丁寧にやって欲しいです。

途中から、反刀をかなぐり捨てると、やたら目に付く直刀を鱸丸が投げ込みます。
どう見ても重いんだな。
後半は振り回されちゃってるもん。
最後に白河上皇に刀を突きつけるところは、本当の決別なのでしょう。

わずか2話で白河上皇退場。
もったいないなぁ。
まあ、後を考えるならいいペースかもしれません。

後のライバルとなる源義朝(武者丸)登場。
次の悪役の藤原忠実役の國村準さんのアップで終了です。


んーーー楽しいぞ。
けっこうきちんと風俗も取り入れているし、主演のコーンスターチさんも助演の煙さんも頑張っています。
貴族も胡散臭い顔ばっかりで、これだと鬼の副長が出てくると逆に浮いちゃいそうな気がします。
正直、鳥羽上皇の矢野君も眉を塗りつぶさないと置いてきぼりを食いそうな感じですもん。

ただ、音楽はかかりすぎ、頼りすぎ。
音響は控えめでいいよ。
あと、朝廷の女優陣はこれから見せ場なのでしょうが、あの眉なしのりょうでさえまだキャラが立ちきっていないので、今後の奮闘に期待。

・・・視聴率が悪いの?
もったいないなぁ。


【追加】

まだ2回しか見ていませんが、この大河は近年の大河にしては珍しく【皇室】に踏み込んでことに期待したいです。

どうも最近の大河は【皇室】と【宗教】には及び腰に感じてならない。
平安末期などが取り上げられづらいのも、皇室や宗教にいらぬ配慮をしているっぽい。
だから、大河で天皇が出てきたとしても、お飾りのように座っているだけで2・3話をするだけで終わり。
こんなに皇室の人々が生々しいのは久しぶりじゃないでしょうか?
先週の白河上皇のベッドシーンに続き、今週は鳥羽上皇のベッドシーン。
祇園女御へDVをはたらいたりと、もうR15指定でもいいんじゃないかってくらい。(笑)
挙句の果てには、殺生禁断令にいたっては白河上皇の「欲」としちゃっているわけですし、こんなに能動的な皇室は見ていて楽しいです。

宗教に関してはまだ分かりませんが、とりあえずは、近年の大河よりは踏み込む意思は感じられました。
末法思想のドロドロした部分を描くつもりはなさそうですが、多少は踏み込まないと平安末期ではありません。

できれば【皇室】と【宗教】のタブーに踏み込んで、そろそろ奈良の聖武天皇や孝謙天皇を主役に!なんてできないかなぁ。

平清盛 第1話「ふたりの父」

さて、久しぶりの大河ドラマです。

去年の薄っぺらいオママゴトの大河ドラマもどきに関しては、信長公のニケツで萎えてしまって、我慢して最後まで見ましたが、二度も三度も見る気になれず、観想も辞めてしまいました。
今さらですが、本当だったら「天地人」でトドメを差して欲しかったところです。
なぜか視聴率がそこそこ取れてしまったがために「江」が作られたわけですが、惨敗してくれて良かったです。
視聴率を上げるために「ストーリーを簡略化する」「登場人物を減らす」という手法はいい加減にやめて下さい。
視聴者を馬鹿にしすぎです。

ということで、1年ぶりに帰ってきた主演「コーンスターチ」さん。(笑)
助演の「煙」さんもパワーアップされています。

第1話の主役は事実上、清盛の父の忠盛役の中井貴一さん。
だいぶ歳を重ねてしまったので、デジタルハイビジョンでは青年役が厳しいところですが、そこは元信玄公。
芸暦というオーラで吹っ飛ばしています。
このまま忠盛主役で10回くらいやって欲しいところですが、最近の大河は子役を短くする傾向があるので、早くもマツケンに切り替わってしまうのが残念です。

残念といえば、清盛の母の舞子演じる吹石一恵さん。
この人は画面に出てくるとついつい見てしまう人ですねぇ。
妹役や母役、清純な役から色気のある役までこなしてしまうのですが、今回はまた芸域が広がったように思います。
たった1話でお役ゴメンはもったいなさ過ぎる。
まあ、吹石さんだからこそ、1話で十分すぎるインパクトを残して退場もできるのでしょう。
この人は目がいいなぁ。

敵役は、最近は好々爺の役が多かった伊東四朗さん。
笑顔一切無し。
権力の頂点を極めてなお欲望に突っ走る様が見事です。
驚愕のベッドシーンまであります!

さて、順を追ってみていきます。

今回の大河の語りも担当している源頼朝役の岡田将生さんから始まるわけですが、まあ見なかったことにしましょう。
いきなり北条政子役のベロ・・・杏さんがやってきますが、どうしても初回に出したかったのでしょう。
馬に乗って駆けつけて平家滅亡を知らせるなんていうのも、すでに行政機構がほぼ成立していた1185年の鎌倉にはおかしすぎますが、これも見なかったことに。(笑)

ここで、今回の大河の一つのキーワードとなる「番犬」という言葉が出てきます。

これは、平安末期の武士を知る上でも、また坂東の武士たちが事実上割拠独立するためのエネルギーの源を知る上でも重要です。
ザックリといってしまえば、地方の武士たちは、武士というよりも開墾領主といった方が良いでしょう。
法も秩序もあいまいな時代の地方の状況ですから領地争いも絶えないわけで、それを優位に進めるためには朝廷からの官位が必要です。
そのために、都からはぐれた貴族の「源平藤橘」という貴種を棟梁に戴いたり、定期的に都に上がって貴族や朝廷の警護=番犬を引き受けることになるわけです。

厄介な話ですが、官位が高ければ「不輸の権」「不入の権」などによって納税の義務なども比例して軽くなります。
しかし、そのちょっとでも高い官位(それでも昇殿は許されない)を得るためには、貴族への付け届けや、番犬暮らしで尽くさなければならないわけです。
そのためには「富」がいる。
つまり、豊かなものはより富み、貧しいものは抜け出せないシステムだったわけです。
忠盛も源為義も、都で生活できるだけまだマシという状況なのです。

武士は貧しいけれども、庶民はもっと貧しい。
それの代表としてこれから関わってくるのが「兎丸」になるのでしょうが、今回はその父親のカリビアン朧月が瞬殺されるなかで因縁ができます。
カリビアン朧月はよくよく見れば隆大介!
この人は大河に出たことはあったのかなぁ。
これまたもったいない使い方です。
子供の兎丸がまえだまえだ兄になって、最終的には加藤浩次になるようです。
初回から出生の秘密を清盛に伝えてグレさせる役割を演じています。

一つの見所が、忠盛、舞子、白河上皇の3人の対決場面。

舞子とのちの清盛となる子供の命を賭けて、最高権力者と王家の犬と対決するわけです。
しかし、所詮は番犬の悲しさで、舞子が命と引き換えで忠盛は救われます。
今回のNHKの本気度が、この舞子の射殺シーンですね。
矢が刺さってから血が吹き出るまでの時差。
人が一人死ぬという場面に「江」のような軽さが無いのが嬉しい。
これは、のちに人だけではなく、犬一匹でさえも意味を大切にしている。

死というものに対して、とくに戦争は視聴率が取れないからと戦国時代であるにもかかわらず忌み嫌って極力避けた「江」の方が、その実は人の死を大切にしていない。
だから、軽々しくモブはモブとして死んで行く。
背景の人間であっても、一人一人の死に対して丁寧に描くことの方が、実はしっかりと「生」を描けるのではないかと思います。
そういう点でも、今回の「平清盛」には少し安心しました。

舞子の死から時代は一気に進みます。
木枯らし紋次郎は見せ場も無く死んじゃってます。(もったいない!)
忠盛の海賊との戦いは、中井貴一ファンへのサービスということで見逃しましょう。(笑)

いきなり、結婚してるし、次男(のちの家盛)も生まれているし。
微妙な家庭内の立ち位置や出生の秘密の暴露などはネットリやっても仕方ないのでサラッと流してマツケン登場で次回になりました。

えーと、書き忘れたけれども松田聖子。
松田聖子と思わなければいいかな。
卵みたいだなぁというのが正直な感想。
キーマンっぽい位置づけですが、今後に期待しましょう。

摂関家の忠実の國村準さん、長男で、のちに保元の乱で勝ち側の堀部圭亮さん。
貴族の胡散臭さが出ていていいですねぇ。
同じく負ける側の源為義役の小日向文世さんも芸達者で、今後の負けっぷりが楽しみです。
崇徳院の方は未知数ですが、負けるための配役がなかなか楽しみで、保元の乱にかなりの力点が置かれているように感じます。

最後に、われらが「矢野君」の三上博史。
矢野君ったら、幾つになっても不器用なんだから。(笑)
なんでこの人の演じる役は無味無臭になってしまうのだろう。
まあ鳥羽院役だからいいのかな。

あと一人気になるのが、平家の家来で清盛の後見人役となる平家貞を演じる中村梅雀さん。
平家の「一ノ郎等」となるわけですが、大河では数々の重要な役どころを演じてきた方だけに、今後の役割が楽しみです。

世間に遅れて、まだ1話しか見ていないのですが、もう5回も繰り返して見てしまいました。
「王家」とか「兵庫県知事」とかで外野が五月蝿いですが、このテンションを最後まで保って頂きたいと願っています。

坂の上の雲 天気晴朗ナレドモ波高シ

「坂の上の雲」は、第1部・第2部はあえて見ずに、今年に入って第3部の始まる前に見ようと思っていたのですが、結局バタバタしてしまって見ることが出来ませんでした。
ですから、第3部についてもコメントはしないつもりでしたが、やっぱり黙っていれませんでした。(苦笑)

とりあえず、音楽だけちょっと。

http://youtu.be/byJNPPw5JUQ

1部も2部も見ない人間が語るのも恥ずかしいのですが、久石譲の野心にちょっとクラクラきました。
音楽も全部聴いていないですし、この「天気晴朗ナレドモ波高シ」よりも気に入った曲はあるのですが、youtubeからはうまく見つけられませんでした。
しかし、先週の日曜日のラストに丁字戦法に入るところでかかったこの曲も、久石譲の勝負を感じられ良かったです。

彼の有名な曲は、ほとんどがジブリの映画からになってしまうと思うのですが、跳ね回るようなメロディーラインは坂の上の雲でも健在。
しかし、いままでと違い音の高低による躍動感に加えて、坂の上の雲では全般的に3連符を多用していて一段と耳を奪われてしまいます。
今回、3連符を多用している曲はどれも力が入っているといえるでしょう。
一拍一拍の切れが良いところに、3連符の流れるメロディーを被せているのが特徴ですね。

もう一点が、彼は曲の勝負どころでは横笛(フルートやピッコロ)などを使うことが多いのですが、今回は中低音部隊に力が注がれていて、軍隊をイメージした力で押し出してくる雰囲気がよく出ています。
ところどころに効果的に入っているスネアドラムも、彼のオーダーなのかは分かりませんが、皮がピンピンに張ってあってその音の切れっぷりも痺れます。

いやー、音楽は上手く書けないや。
ともかく、今までとはひと味もふた味も違う久石譲の世界も、映像と一緒に味わって見てください。

江 (第9話 義父の涙)

義父と書いて〔ちち〕と読むんだって。

はぁ~~~~~。

沸々と怒りしか湧いてこない台本って凄いな。
たびたび書いていますが、一昨年の「天●●」も寒気がするほど酷かったけど、脚本家のバカさ加減に番組が終わったら怒りが「放出」できました。
今年のタブチは「ファンタジー大河」とか言われているけど、微妙に脚本家が小賢しいのね。
その小賢しさが、怒りを「放出」できない。
あれが柴田勝家とお市と三姉妹としてみると、むかっ腹なんだけど、北陸のマタギの家族だったら全然腹が立たないんじゃないかってくらい、家族の物語としてはいいんじゃないかと思う。
それが厄介。

そんなの放送してても見ないけど。

地元の殿様が戦に行くからと招集をかけられて、義父大好きな嫁の連れ子たちがピーチクパーチクと、


「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」

って言っているなら、下々の話だしアリだと思う。

マタギの父ちゃんなら刺繍が上手で娘たちに教えるのもいいよ。
なんたって、あんな毛皮を着ているような娘たちだから、いつ人買いに買われていってしまうかもわかんないし。
刺繍の一つも覚えていれば、ご主人様に好かれることもあるだろうよ。

今回見つけた法則。
セレブの習い事(刺繍がセレブかは知らん)が冒頭に入ったときには、それがクダラナイ伏線だから身構えておいた方がいい。
何が飛んできても身を避ける準備をしておかないと、タブチファンタジー砲に撃ちのめされる。(苦笑)

なんかさあ、江の刺繍がキーポイントになることは分かっていたんだけど、まさか割れた天下布武の判子の入れ物になるとは思わなかったです。
こういう点があまりにも作り物過ぎて、脚本家の「ヘヘン♪」のしたり顔(顔は知らんけど)が目に浮かぶようで不快。

繰り返すけど、マタギの家族の話ならいいよ。

あと、いくら江が主役だからといえ、茶々やお初のお札なんかそっちのけでお江の刺繍を喜ぶ描写が毎回腑に落ちない。
お茶々ちゃんなんか思春期ど真ん中の辺りだと思うのだけど、よくあんな待遇でグレなかったもんだ。
お初ちゃんにいたっては、もはや汚れ役ですな。
家族を描いているようで、それぞれに役割が与えられていて、その役割を演じてるに過ぎない。

まったく家族なんて描かれてないよ。


それから、あまりにも

「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」
「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」「戦は嫌でございます」

と連呼していると思ったら、この回は三姉妹のとくに茶々・お初の小谷城落城のトラウマと、それを乗り越える話にもなっているみたい。
それだっておかしい。

戦国の世に生まれていて、戦略に支障を来すほどのモンスターシスターズ。(笑)

タブチも気がついているんだと思います。

江の世界の中では、モンスターシスターズが
「戦は嫌でございます」
と騒いでいることが、結果として義父勝家と実母お市を死に追いやることになっていることを。

戦がスタンダードな世界にあって、賤ヶ岳の直前まで勝家は「戦争放棄」を唱えて、秀吉に一手も二手もどころか十手くらい手を打たれてしまっているわけです。
呑気に「父は負けん」とか言っていますが、それはこのファンタジー大河の中での思考回路でしかなく、実際の戦で何手も先に手を打たれてしまっていたら、勢力が拮抗しているなら負けるって。
物語の中の勝家の「家」は、勝家と市と三姉妹でしかないように見えますが、勝家の背負っているのは「柴田家」じゃなく、「柴田家中」
勝家子飼いの武将や、信長からつけられた前田利家などの与力武将。
それぞれの武将の下にはまた子飼いの武将たちがいて、家来たちがいて、足軽たちがいて、それぞれ家族がいる。
勝家んところの5人家族の話だけじゃないんだって。

子供たちの「戦は嫌でございます」で、戦わないことや戦うことを選ぶにしても、このマタギの父ちゃんには「柴田家中」の人々を犠牲にしてまで「反戦」を貫く覚悟も見あたらない。
だいたい、勝家はやる気満々で戦をして、敗れて死ぬわけですから、無理で無駄なエピソードを重ねて泣く泣く戦に向かったことにする意味がない。

ただただ、勝家は意志が弱く戦国セレブどもはワガママ
そして、勝家の敗戦の原因は「戦は嫌でございます」と叫ぶ、「見た目は大人、頭脳は子供のモンスターシスターズ」にしか見えません。

その矛盾を埋めるためのセリフが、また「分からん」。
「男とは戦が好きな生き物だ」と、言うわけですが、何とも男を小馬鹿にしたような雰囲気だし、上から目線。
保奈美が上目遣いに、黒目をギョロギョロさせながら言うものですから、小馬鹿度倍増。

もういいや。
「戦は嫌でございます」嫌でございます!

江 (第8回 初めての父)

ものスゲー珍しいものを見た。
マイホームパパの柴田勝家。
あざと過ぎて気持ち悪すぎる。

篤姫の父、島津忠剛の焼き直しなんでしょうけど、島津忠剛と比べて柴田勝家はメジャーすぎて、違和感がありすぎです。
初回から、大地さんにはアットホームなパパ役が期待されての起用であることは十分分かっていたことですが、鬼柴田だよ。
織田家中一の突破力を誇る、かかれ柴田だよ。
史実ではないとは言われていますが、瓶割り柴田という「猛将」と呼ぶに相応しい武将です。

爪ほどでもと言うのなら、
それを爪ほどでもいいから感じさせて欲しい!

サルを投げ飛ばしたから猛将ですか?
三の姫にビンタを食らわしたから猛将ですか?
いきなりテンションが変わって、威厳のある父風味や織田家中一の猛将風味になってますが、なんかプリンに醤油を掛けて食べるとウニの味になるよって感じ。
目の前でプリンに醤油を掛けられて、軍艦にされて「ウニ一丁」なんて言われたってついて行けないって…。

突然に「なんだそのいけしゃあしゃあとした面はぁ~!」とか言ってひっぱたいていますが、なんで江
三姉妹の中では、江が一番勝家に心を寄せていた描写だと思うし、馬の件は事故でしょ。
家出をしたのならともかく、迷子で一番同情的だった江に対してのクマ大暴れってのは分からなかったです。
貧乏くじを引かせ続けている初でも、反勝家の先頭を切っている茶々でも良かったし、腑に落ちたような気がします。
まあ、誰がやってもベタすぎてシンドイとは思うのですが。

あと、馬番屋の与助の描写も良く分からない。
江が馬に勝手に乗ったのが罪ならば(罪なんだけど)、周りにいた人たちや門番だって怠慢だし、馬に乗って城の外に出たのを知るのが夜というのも、目撃者があれだけ居ながら変。
帰ってきたあとに、江を地べたに座らせて土下座させるのも変。
封建時代崩壊ですな。
最近の大河は、龍馬もカネチュグも土下座し過ぎだって。

今回は、本当に見なくてもいいどうでもいい回でした。


強いて良かった点は北の庄城のCG。
七層とも九層とも言われ、一説によると安土城よりも大きかったとも言われています。


毎度のように萎え萎えですが、今回はとくに萎え萎えなので、もうこれでいいや。
戦国の鉄火場を、嫁も取らずに戦い続けた猛将さえもがお市と三姉妹の引き立て役にしてしまう力量に感服しました。
誰がなんと言おうとも、今回は意味不明で大河史に残る不用回
大地柴田の裏声、変な笑い、突然の激高。
精神科に行くべきだって。

江 (第7回 母の再婚)

上野樹里は悪くない!

私は、この人のドラマは見た記憶がないのでとくに思い入れもないのですが、江に関しては今のところ可哀想だとしか言いようがない。
幾つよ?
という謎年齢設定が皆さんなじめないんじゃないでしょうか。
子供演技をさせているのに、難しいことを言うからしっくりこない。
脚本も演出もぶれているのだから、演じる上野樹里だってキャラの設定が掴めないのでしょう。
主役という看板を背負わされている上野樹里は被害者です。
個人的には、まだ評価は保留です。

どうもアバンから何か懐かしい背筋の寒さを感じていたのですが、オープニングの最後を見て分かりました。
今週から演出は野田雄介。
あの「天地人」を演出していた方ですね。
道理で・・・という、日本地図による説明的演出でした。
死んでいった人を白黒にするところなども天地人でやっていた手法ですね。
危険な臭いを感じましたが、やっぱりドタバタした演出になっていました。

今回の登場人物たちの立ち位置が、「おね」や「なか」も出てきた為にグチャグチャでした。(おとなしく長浜に引っ込ませていてもいいだろに)
織田家から羽柴家に切り替わっていくための人物紹介が必要だったのかもしれませんが、あまりにも説明的
ついでに言えば、お市と三姉妹が清洲の城に居ることや、秀吉が天下取りへの野望を露わにするのも説明的
これは分かりやすいというのとはちょっと違うと思います。

面倒くさいので、核心から行きます。
前回の予告「母は嫁ぐことにした」
それがどのように展開していくのかが今回のポイントでした。
「好きでもないのに嫁ぐのですか?」
「母は武将の心で嫁ぐ」
タブチさんは、自分の気に入ったフレーズは繰り返させる特徴があるので、「母は武将の心で嫁ぐ」というのは快心のセリフなのでしょう。

ただ、純粋に見てお市と三姉妹が秀吉を恨む設定が腑に落ちない。
秀吉が勝手に浅井長政を責めて滅ぼしたワケじゃないでしょ。
浅井攻めの頃なんて、まだ織田家は総力戦に近いわけで、織田家有力武将はほとんど参戦しています。
あなたたちの大好きな叔父上、織田信長が命じたことで、秀吉だけを恨むのはしつこい。
史実に沿えば、浅井家の長男の万福丸は秀吉が殺している(それも信長の命令)わけですからそれで恨むなら分からなくもないけれど、この大河では居なかったことになっています。
しかも、三姉妹と森兄弟が出会ったときに、その「恨み」についてもケリをつけていたはず。
秀吉に恨みがあるから、秀吉が天下を取るのを妨げるための柴田勝家との結婚というのは、史実でもそれに近い部分はあると思うのですが、描き方が中途半端です。

快心のセリフは「好きでもないのに嫁ぐのですか?」とセットになって、当時の女性が言いたかったことを言わせているつもりなのでしょう。
でも、お姫様と自由恋愛って変だって。
というかお姫様って定義はなんなの?
そりゃ、大名や武将の家に生まれれば姫といっていいのかもしれないけど、この大河はそういう話じゃないでしょ。
織田家は「信長」という人物の登場によって、後の秀吉・家康の代になっても戦国セレブという扱いになり、その血筋を利用するため織田家の血を自分の家に取り込むことに努力しているワケです。
唯一無二の戦国セレブな姫たちの物語であればあるほど制約があり、自分を殺す制約の中から自分を見出すから美しいのではないでしょうか。(篤姫のように)
自由な姫の物語をやりたいなら、ディズニーとでも組めばいい。
町娘のようにバタバタバタバタ駆けずり回っていて、自分を決して殺さない母と三姉妹の物語には「儚さ」が感じられないから、視聴後に違和感しか感じないのです。

まっ、ずれまくりです。

細かな点。
・将来の義父とはいえ、毎週毎週徳川を出す必要はないでしょう。
・「頭が高い!控えい!」って水戸黄門?
・史上最小の清洲会議。そしてなぜか江が参加。
・賤ヶ岳の伏線として、佐久間盛政登場。なぜかオープニングでは1本。
・黒田官兵衛の足袋が片一方だけだったのは評価できます。
・柴田勝家のオンオフのツボが分からない。(おそらく大地さんも理解できてない)

なんかドンドンと完走に自信が無くなってきています。

江 20%を切る!

なんとなくホッとしました。
あの「本能寺」を見て、次の週に視聴率が上がるようでしたら、私の感性の方が異常ということになってしまいますからね。
タブチ先生は、「篤姫」から続く視聴率20%以上という記録が途絶えてしまったようですが、あの出来ならそうだろうと思います。
みなさん、篤姫とは違うと感じてきているのではないでしょうか。

何度か書いていますが、「篤姫」は宮尾登美子先生の「天璋院篤姫」という優れた原作がありますが、「江」は原作無し。
やはり、小説家の歴史考察力と、脚本家では差がありすぎるということは明白です。

しかし、それとは別に「江」にはイヤな臭いを感じちゃうんですね。
タブチ先生の「思考」といえばいいのか。
いや、ハッキリ言って「思想」といって良いのかもしれない。

前回、「男は死ぬけど女は死なない」ドラマと書きましたが、極端な「女性上位」
また、「己の思うがままに生きよ」という、「個人主義」
そして、ドラマ全体に貫かれている「恋愛至上主義」

大河でやることじゃないし、もうその古い価値観には飽き飽きしていると思うのですが、それが前面にバンバン打ち出されてしまって「うっ!」となってしまいます。

「篤姫」には、今は失われつつあり、再生が望まれている「家族主義」を貫く潔さが宮﨑あおいの演技が巧くはまったのでしょう。
宮尾先生の偉大さですね。


基本的に、大河ドラマは視聴率は気にしなくていいんじゃないかと思います。
スポンサー付の民放じゃないんだし。
後世に残る、骨太の歴史を描いて欲しい。
日本の古い様式美を守って欲しい。
「本能寺」なんかやり尽くされていると言われていますが、そんなことはない。
やり尽くされているなんて言ってしまったら、それは自分が能無しと言っているようなもの。

同じような本能寺だったとしても、役者の間やカメラアングルとか、たくさんの登場人物の中のスポットのあて方なので違いはどんどん出せると思うのです。
個人的には、「弥助」が暴れる本能寺とか見てみたい。
「弥助」役にはボビー。(イッテQ準メンバーだから無理だろうけど)

話は逸れましたが、ですから、今の露骨に視聴率を獲りに来ている大河なんか天誅とばかりに視聴率が下がった方がいい。
少なくとも、今回でタブチ先生の記録が途切れたことは大河再生のために良かったと思います。

江 (第6回 光秀の天下)

古今東西、歴史というのは為政者にとっての重要な学問でした。
竹に記述していた頃はもちろん、紙が生産されるようになっても歴史書の量は少なく、作業はすべてが手作業で写していたため、群雄割拠していた戦国時代なども一部の豊かな戦国大名家のみが所有できたものです。
後継者たちは、過去の人物から失敗や成功を学び、それを宣伝することによって人心掌握にも使われていたものです。

何度も書きますが、大河ドラマには過去からおかしな話はありました。
しかし、ここ数年は「テレビの都合」が優先され、「金」もなく、「脚本家や演出家」も人材が尽きたのでしょう。
もはや、テレビでの歴史は、過去の人物からの失敗や成功を学べるものではなく、その人物の一面だけを捉えて、そこで表現したいことを都合良く流してるに過ぎない。

お江の生き霊や信長の霊などは笑い話で笑い飛ばせるけど、江と家康の伊賀越え「愛の逃避行」とか、森蘭丸が明智光秀に手紙を書いていたとかは笑えない。
ましてや、江が捕らえられて光秀と会っちゃって、しかも江に本音を語り、改心。
不快この上なし。

そろそろ本気で、大河ドラマは
フィクションです
と入れるべきなんじゃないだろうか

不快その2
毎回毎回「わからぬ」「わからん」。
江と光秀が会って、江恒例のインタビューをしても、本能寺を起こした原因を「わかりません」はふざけすぎ。
というか、明智光秀に失礼。
理由らしきことをいくつか述べていましたが、それで人の心は複雑であると表現したつもりでも、最後が「わかりません」じゃダメだろ。
結局は明智が
キレちゃった
としか伝わらない。

というか、脚本家が
歴史解釈を投げた
としか感じない。

まあ、伝えたいのは江のセリフなんでしょう。
「平和を求めた信長を、明智は武力を使って砕いた」
( ̄△ ̄;)
なんてユルユルな戦国なんだよ。
どこかの誰かが、こんな事を言わせておけば喜ぶのかも知れないと思って書いているのだろうけど、おかしいにも程がある。

武力のために武力を使った戦国大名っているのか?
稀に戦好きの武将もいるけれど、所詮は人と物資と信頼が必要だから、どれかが尽きて潰れてるでしょ。

平和ボケの日本では理解できないことなのかも知れないけど、現代社会でも「国権としての武力行使」は存在している。
国を保つ上での一つの方法として、戦国時代も現代も武力行使があるわけで、それを引っこ抜いちゃったらどこか異空間の話だって。

平和万歳を垂れ流すために、「わからぬ」で戦をした挙げ句に死んでいったことにされた、バカ扱いの明智光秀が無惨。
まして、ドラマ的にも2万もの軍勢が光秀に付いていったのにもかかわらず、「ワシには誰も付いてこない」とかほざいて、死ぬ間際には10歳未満の小娘を思って死んでいったことにされた明智光秀は見ていて苦痛。
もう細かいところはいいかなって感じです。

それでも少し書きましょう。
元SP神尾佑の斎藤利三は、奮闘していました。
のちのちに春日局との出会いの時にあの憎々しげなシーンが挿入されるんでしょう。
明智光秀はお江教に入信して改心して死んでいきましたが、その分、斎藤利三は真っ黒け。
お江との心の交流など描かれなかったので、このまま死んでいくのでしょう。
ブラックな役がなかなか似合っていて、これから増えるかもしれませんね。

真っ黒けといえば、秀吉も立ち位置的にブラック。
グチたり、ワガママだったり、口が軽かったり・・・という演技が続いていましたが、あれは悪役秀吉という記号を意味していたようです。
そのうち、また江ちゃんインタビュー(予想では朝鮮出兵前)を経て改心し、江のことを思いながら臨終するのでしょう。(笑)

最後に、家康との伊賀越え「愛の逃避行」。
ちなみに、史実では34名の重役と小姓+茶屋四郎次郎と向かうわけです。
それだっていうのに、先週の野武士の襲撃で2名惨殺。
今週も江ちゃんの護衛に5名も派遣して同じくあっさり惨殺。
イラッと来るのが、そのくせしてお江の侍女たちはお江と同じタイミングに犠牲者もなく全員無事で戻ってくる。
戦国を舞台としていながら、男なんかアリンコのようにプチプチ殺す割に、女は殺さない。
死んでいった役者たちに役名はないけれど、無事に難事を切り抜けて生き残った、のちの徳川家・徳川政権の中枢を担うであろう人たちを無理に殺し、あり得ないエピソードで犠牲者が出てもおかしくないような状況だったのに女が無事っていうのはおかしいだろ。

ここらへんに、脚本家の思考といえばいいのか、思想が見えてしまう。
演出も雑。
音楽も変。

捏造にしても、もう少し上手に騙して欲しいものだと思います。

もう一つ。
ここ数年、大河は予告詐欺を繰り返していますが、今週は・・・予告も変。

江 異聞

昨晩、妻が第5回を見ました。
最初は、「変」だとか、苦笑したりしていたのですが、途中から静かに。
江紀行のところで妻を見てみると、泣いてました。

話を聞いてみると、「信長がかわいそう」というのです。
トヨエツの信長じゃなく、実在した信長に対して申し訳ないと言うのです。

妻は、卒論が「甲陽軍艦」ですし、その絡みで「信長公記」なども読破しています。
明治時代に発行されて、現在日本に3冊しか残っていないものなども含めて、神保町通いをして古書を収集しているので、まあ今風に言えば「歴女」なんでしょうね。

泣きやんでから、怒り語ること2時間。(笑)
トヨエツの信長は雰囲気があるし、セリフの中には好きなものもある。
でも、あんな女々しいのは信長じゃない。
ということで、トヨエツ信長、第5回で終了で良かったです。
これ以上、タブチがメチャクチャな事をさせると、テレビが破壊されそうだったので。(笑)
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